Well-being(幸福感)を高めるポジティブチェンジサイクル実践プログラム

well-beingが高いとは

現在のポジティブな気分と将来に関するポジティブな展望が持てており、主観的幸福感が高い状態のことをさします。

well-beingを高めることが生産性を高める:幸福優位性とは

  • ポジティブ心理学の調査から、幸福感の高さ(well-being)と、仕事の「満足度」「成果」には非常に高い相関関係があるとの結果が出ている(図1)
  • つまり、今の幸福を犠牲にしても、一生懸命仕事をし働くことで、成果が出て、昇進・昇給するなど成功し、幸福が手に入るという考え方が『今までのパラダイム』であった(図2)
  • しかし、『これからのパラダイム』では、well-being(幸福度)が高い社員こそが、仕事満足度も高く、卓越した成果を生み出すのである故に、社員のwell-beingを高めることが生産性や競争優位性を高めることにつながるのである(図3)
図1 well-beingを高める必要性
図2 図3 well-beingによるパラダイムチェンジ

well-beingを高めることが、何故生産性を高めるのか

人間の脳は、ポジティブな気分の時に最もよく働く

  • ネガティブな感情の時、思考の幅を狭め、行動が限定的になる
  • ポジティブな感情の時、思考・認識・行動の幅を広げる
  • ポジティブな感情の時、脳がドーパミンやセロトニン物質を出し、脳の学習機能を活性化させ、新しい情報が整理されやすくなる
  • ポジティブな感情の時、脳神経細胞が活性化し、創造性が高まるため、複雑な分析や問題解決力を高める

今何故、日本企業(特に若手・中堅社員)にwell-beingが必要なのか(1)

  • 「世代別幸福度」:20歳〜39歳世代が一番低い
    • 平均6.38点/世代別、65歳以上6.92点、40~64歳6.25点、20~39歳6.03点/女性全体6.62点、男性全体6.12点
  • 不安や悩みの内容についての質問(複数回答)
    • 20~64歳の現役世代の男性は「仕事上のこと」に悩む割合が約半数、「職場の人付き合い」も3割程度
    • 仕事や職場の人付き合いに悩みを抱える人の「幸福度」5.79点、仕事の悩みを抱えていない人(6.59点)より低かった。
  • 仕事上のストレスが現役世代の幸福度を押し下げている
    • 世代別の不安・悩みは、20〜39歳は「いきがい」「将来への不安」が 50.8%

世代別幸福度得点(自己採点方式10点尺度法)

今何故、日本企業(特に若手・中堅社員)にwell-beingが必要なのか(2)

  • 日本の社員の組織貢献に対するモチベーションや組織目標に対する貢献意欲と積極的関与は、他国と比較して著しく低い(社員エンゲージメント指数では、日本が31%と最下位である)
  • つまり、日本企業の社員は他国企業の社員に比べ、「自分の仕事や職場に誇りや使命感を持てず、主体性に欠け、受け身のやらされ感で日々業務をこなしている」。且つ、組織階層が下位層になるほど、モチベーションが低い傾向が各種調査で出ており、若手・中堅層は、より低い数値を示している
  • ギャラップ社の別の調査では、顧客エンゲージメントと従業員エンゲージメントの両方が優れている組織は、両方の指標が悪い組織と比べて格段に優れた業績を上げることを示した
  • グローバルな経済環境下において、他国と競争していく上で、社員の貢献意欲と主体的関与は必要不可欠な要素である
エンゲージメント指数調査(組織の成功に貢献しようとするモチベーションの高さ、組織目標を達成するための重要タスク遂行に自分で努力しようとする意思の大きさ)

今何故、日本企業(特に若手・中堅社員)にwell-beingが必要なのか(3)

  • 「私は価値のある人間だと思う」
    • 米国89.1%、中国87.7%、韓国75.1%、日本36.1%
  • 「自分が優秀だと思う」
    • 米国87.5%、中国67.0%、韓国46.8%、日本15.4%
  • 圧倒的な自信不足
  • 諸外国との比較で、自己肯定感(重要感、有能感)が低い
    • 自己肯定感が低いことが、主体的に挑戦し行動できない要因の一つと推察される

「高校生の心と体の健康に関する調査」(2011年3月)/日本(n=1113)、米国(n=1011)、中国(n=1176)、韓国(n=3933)

今何故、日本企業(特に若手・中堅社員)にwell-beingが必要なのか(4)

日本と他国の中間管理職層EQコンピテンシー開発度比較(2014年度)

  • 8コンピテンシースキル全てにおいて、日本の中間管理職層のデータが低い
  • 特に「内発的モチベーション」「ノーブルゴールの追求」「楽観性の発揮」「感情リテラシー」のコンピテンシーが低い
  • 上級管理職層のデータも同様傾向を示しており、若年層も同様傾向と推察される
  • つまり、自身の価値観や意思によりエネルギーを出すのでなく、見返りや報酬などの外因性により動機づけされている
  • 目指すべきビジョンや使命が持てていない
  • 成功体験を活かせず、失敗経験を引きずるため、自信が持てない
  • 自分自身の気持ち感情を理解し表現することができていない傾向を示している
日本と他国の中間管理職層EQコンピテンシー開発度比較      

シックスセカンズジャパン㈱データ分析センター(対象30カ国データ)

今何故、日本企業(特に若手・中堅社員)にwell-beingが必要なのか(まとめ)

  • 現在の若手・中堅社員は「自信」「楽観的思考」「希望」「使命感」「能動的/主体性」「内発的モチベーション」が不足気味であると言える。これらの要素をテコ入れすること改善し、well-beingを高める必要がある
  • ポジティブチェンジプログラムでは、ポジティブ心理介入を活用したトレーニングと職場実践を通じて、well-beingを確実に高めことができている。

「ポジティブ・チェンジ・サイクル」モデル

下図モデルは、『ポジティブ(肯定的)な自己イメージを持ち、主体的な行動を促進していく』ために必要な4つの要素(ポジティブ・チェンジ・ファクター)と、このサイクルを促進させるために必要な5つの推進力(ポジティブ・チェンジ・ドライバー)を整理し体系化したものである
「希望(目的/目標)を持ち、積極的に関与し、達成することで自信を増幅させていく」ことは、頭では分かっているものの、多くの(特に若手・中堅)社員は実践できなかったり、継続できなったりし、良循環を形成できていないのは、ポジティブ・チェンジ・ファクターが十分に開発されていないからである

プログラムの目的とねらい

目的:

well-beingを高め、組織の生産性と競争優位性を高める

ねらい:

  • プログラム期間内に、ポジティブ・チェンジ・サイクルをまわし、自己効力感(自信)を高める
  • トレーニング並びに職場実践を通じ、ポジティブ・チェンジ・ドライバーを開発する
    • 意味を見出す力
    • 強みを活かす力
    • 関係を構築する力
    • 再起する力
    • 思考と感情を調和させる力
  • 上記を通じ、well-beingを高める

プログラムの全体像

Step1事前課題EQコンピテンシー調査
Step2 ポジティブチェンジドライバー開発トレーニングⅠ ポジティブチェンジドライバーの開発/価値観の明確化/ミッションの明確化/SPARK活用による思考・行動分析/当面のゴールの明確化
Step3 実践 ポジティブチェンジサイクルの実践/ポジティブ心理学的介入手法の取り入れ/周囲からの期待の確認と能力開発課題の設定(ステークホルダー分析)
Step4 ポジティブチェンジドライバー開発トレーニングⅡ ポジティブチェンジサイクルの実践レビュー_実践活動の振り返り/期待役割の共有/3年後のキャリアビジョンの設定

トレーニングの進め方

ポジティブ感情・行動、認知を高め、新しい可能性に気づかせるために、「承認・肯定」ストロークを多用し、明るい雰囲気を重視し、進行していく

事前診断:SEI(EQ)リーダーシップ診断

SEI(Six Seconds Emotional Intelligence)リーダーシップ診断とは

  • 約70問の質問から構成されているEQコンピテンシーを測定する診断です
  • 5段階尺度法を活用し、統計的に信頼度の高い質問と処理分析によりEQコンピテンシーを測定します

SEI(SEIリーダーシップ診断の特徴

学習可能 具体的で行動可能なモデルにより設計されているため、学習し実践行動を変化させることが、より容易となっています
グローバル展開 全世界共通の視点で測定できるため、貴社のグローバル展開への対応も可能です
統計的裏付け 全世界約25,000人の母集団から統計的に信頼できるかを検証して設計されています。「地域における回答スタイルの傾向修正」「ポジティブインプレッション」「一貫性のある回答」と、自己申告型の心理検査で派生する3つの課題に対して対応しています人生における成功要素(達成意欲、対人関係への意識、健康意識、生活の質)において、約55%の予測率を示しています
詳細なレポート内容 診断結果並びに考察と開発のヒントが記述された20頁に及ぶ診断レポートを提供しています
米国心理検査 Level Bのレポート 大学院での心理検査及び測定に関する科目を履修し卒業した者か、それと同等な教育・訓練を終えていることが必要となる心理検査です。経験を積み、倫理規定に従ったプロフェッショナルがレポート解説と適切なコーチングを行います

事前診断:SEI(EQ)リーダーシップ診断サンプル)

約70問の質問項目
20ページに及ぶレポート
グローバルレベルでの統計活用